ホーム >

赤松主任研究員が平成30年度日本醸造協会技術賞を受賞しました



平成30年10月10日(水)〜11日(木)に東京都文京区で開催された平成30年度日本醸造学会大会において、当研究所の品質・評価研究部門赤松主任研究員が日本醸造協会技術賞を受賞しました。

<受賞対象>
「安定同位体比分析による酒類の産地や原材料の判別に関する研究」

<受賞者>
橋口知一1)、赤松史一2)、富山眞吾3)
1札幌国税局、2酒類総合研究所、3北海道大学

<業績紹介>
 食品表示への消費者の関心は世界中で高まっており、酒類においても表示の信頼性確保は、消費者の安心・安全の確保とともに製品のブランド力の維持・向上に必要不可欠となっています。我々は表示の信頼性確保のため、安定同位体比分析を用いた酒類の原料、産地の判別に取り組んでいます。
 安定同位体は、原子核の陽子数が同じで、中性子数が異なる放射能をもたない物質です。例えば炭素では、陽子が6個に対して中性子数がそれぞれ6個と7個である12Cと13Cの炭素安定同位体が存在しています。安定同位体の自然存在比、すなわち安定同位体比は、物質の反応過程で変化し、生成物の安定同位体比は基質の安定同位体比を大きく反映することが知られています。清酒中のグルコースは、原料である米に由来する炭素安定同位体比を示す一方で、サトウキビなど他の原料に由来するグルコースは、米由来とは異なる炭素安定同位体比を示します。このことを利用して、清酒の原料を判別する方法を開発しました。また、清酒醸造に使われる水の酸素安定同位体比は地域によって異なることが知られています。清酒中の水の酸素安定同位体比は、醸造用水の酸素安定同位体比を反映し、酸素安定同位体比分析が清酒の産地判別の一助となることを示しました。

<参考文献>

1)(水素、酸素、炭素安定同位体比分析による清酒中の米由来又はサトウキビ由来醸造アルコールの予備的検出方法) Tomokazu Hashiguchi, Fumikazu Akamatsu, Hanae Izu, Tsutomu Fujii, Preliminary detection method for added rice- and sugarcane-derived brewer's alcohol in bulk samples of sake by measurement of hydrogen, oxygen, and carbon isotopes, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 79, 1018-1020 (2015)

2)(清酒中グルコースの炭素安定同位体比分析:凍結乾燥させた清酒はHPLCによって単離したグルコースの代替となり得る) Fumikazu Akamatsu, Tomokazu Hashiguchi, Yukari Igi, Hanae Izu, Tsutomu Fujii, Carbon Stable Isotope Analysis for Glucose in Sake: Simple Freeze-Dried Sake Can Substitute for Glucose Following HPLC Isolation, Food Analytical Methods, 10, 2792-2799 (2017)

3)(清酒と地下水の安定同位体比分析及び地化学的手法・数値解析手法を用いた清酒産地判別の研究:白山市におけるケーススタディ) Shingo Tomiyama, Tomokazu Hashiguchi, Akira Ueda, Akiko Kitai, Hanae Izu and Shigetoshi Sudo, Geochemical, stable isotope, and numerical modeling studies of sake and groundwater for identification of the location of sake production: A case study from Hakusan City, Japan, Geochemical Journal, 47, 591-608 (2013)





Copyright©National Research Institute of Brewing. All rights reserved.